2013年10月15日星期二

小切手の基礎知識

説明の前に
 小切手の説明をする前にまず用語を覚えていただきます。その用語とは、「振出人」「支払人」「受取人」です。ここで、実際の小切手の流れを元に説明していきます。

 例えば、あなたの会社が小切手を切り、G社に渡したと仮定しましょう。この時小切手を切り、取引先に渡すことを
『小切手を振り出す』といいます。そしてこの小切手を振り出したあなたの会社を振出人と言い、小切手を受け取ったG社を受取人といいます。そして最後の支払人ですが、これはあなたの会社の取引銀行と言うことになります。もう少し詳しく言いますと、この振り出した小切手の金額が引き落とされる当座取引のある銀行です。


Lesson1 小切手とは?
 小切手とは、振出人が支払人(金融機関)に受取人その他正当な所持人に支払うことを委託する支払委託証券です。
 現在では、商取引などでたくさんのお金を持ち歩くのが危険な場合に、この小切手を用いて支払いを行うことが多いようです。小切手のメリットは、この多額の現金を持ち歩かなくても済むという点と、手形と違って3ヶ月先とかいう支払期日がないため、すぐに資金化することができるという点です。

 この小切手を振り出すには、銀行と
当座勘定取引の契約を結ばなくてはなりません。これは、その取引銀行と会社の付き合い、信用などで一度審査にかけられますので、誰でもが当座を開けるわけではありません。こう言うときのためにも、メインの銀行とは上手にお付き合いしていくことも経理の仕事のひとつです。



Lesson2 先日付小切手の注意点
 また、振出日が将来の日付になっている小切手を振り出すこともできます。このような小切手を先日付小切手といいます。しかし、この場合振出日を将来の日付で書いてあったとしても所持人が金融機関に持ち込めば、金融機関はその支払を拒否することは出来ないので支払に応じることになります。その為どういうことが生じるかというと、小切手を振り出した会社は、先日付小切手を発行したのだから、まだ資金繰りに余裕があると思っていたところに金融機関から小切手の引き落としの連絡が入り、最悪の場合は不渡りを出してしまうと言うこともあり得ます。
 先日付小切手を振り出す際は、相手に事情をよく説明し記入してある振出日に金融機関への持ち込みを依頼することが大事です。

Lesson3 小切手の見本

 ここでは、小切手の各記載部の説明をします。多少は違いがあるかもしれませんが、一般的に小切手は下のようになっています。 



1.小切手番号 振り出す際は、小切手帳などにこの番号も記載してどこに何番の小切手を振り出したか分かるようにしておきましょう。
2.振出日 ここには、記載されていなくても無効にはなりません。また、取引先の事情により何日か先の日付になっている場合は、その日付まできちんと保管しておきましょう。
3.金額 チェックライターか漢数字で記載します。
4.渡し先 どこに渡したか渡し先を書きます。
5.摘要 何の目的に渡したのかなどを書きます。
6.支払地 支払人の所在地です。
7.支払人 小切手を振り出すための当座預金口座がある金融機関です。
8.支払委託文句 このメッセージがあることによって、持参人つまりこの小切手を金融機関に持ってきた人にお金を渡して下さいという委託文です。
9.小切手整理番号  
10.振出人 当座預金口座の名義とその銀行印です。
11.拒絶証書不要 拒絶証書は作成しなくてもいいですと言うことが書かれています。
12.振出地  

Lesson4 小切手が資金化されるまでの流れ
ここで、一度あなたが線引き小切手を受け取って、銀行に持ち込んだとしましょう。この持ち込むことを呈示すると言います。

下の図を参考にしていただくと分かりやすいと思います。あなたは、取引先A社から小切手を受け取ったB社と言うことになります。線引き小切手を受け取った場合は、いったんあなたの取り引きしている銀行に呈示しなければいけません。そこで、小切手を受け取ったあなたの取引先の銀行は、手形交換所を経由してA社の取引先(支払人)に呈示します。そしてA社の当座預金口座から小切手の金額分を払い出し、支払いを行います。この間がだいたい3営業日かかります。つまり、小切手を銀行に持ち込んだときは、通帳にその金額分が入金として記載されますが、実際にそのお金を引き出すことができるのは3営業日後と言うことになります。

 また、そのまま支払銀行の窓口へ行って直接現金支払いを受けることもできます。この方法を
店頭支払と言います。
 




Lesson5 小切手の振り出し、受け取りの際の注意点
◆小切手要件◆
小切手には、手形と同様に必ず書かなければならない事項があります。それを小切手要件と言います。
小切手を受け取る際はこれらのことがきちんと記載されているか確認しましょう。また、振り出す場合も同様に気を付けましょう。

次のことをチェックしましょう。
金 額 ●金額は、チェックライターか漢数字を用いる
●一度かいた金額を訂正した場合は無効
●小切手の額面が予定している入金額と違う場合は取引先にその理由を必ず尋ねる
 その理由を聞きお互い納得の上で受け取るようにする
振 出 日 ●小切手の振出日は先の日付(例えば集金日の10日後の日付など)でもよく、このような小切手を先日付小切手と言う。この場合、どうして先日付小切手なのか理由を聞き、納得の上で受け取った場合は、その日付よりも前に銀行に取り立てに出さないように気をつける。
●本来ならばこの振出日も小切手の取引の際、必ず記載しなくてはならない事項だが、実際には記入されていなくても取り立てに出すことができる。
振 出 人 ●ゴム印などで記名されている場合は押印がされているか確認する。
そ の他 次の項目は、銀行から小切手帳を受け取った時点ですでに印刷されています。

●小切手という文句
●支払人
●支払いを委任するという文句
●支払地

◆支払呈示期間◆
 小切手を受け取ったら、その翌日から10日以内に支払人である金融機関に呈示しなければなりません。この
10日間のことを支払呈示期間と言います。ただし、その末日が金融機関の休業日のときは翌取引日まで延長されます。
 小切手の場合は手形と違って、この支払呈示期間が過ぎても、振出人から
支払委託の取り消し
がない限り支払いを受けることは出来ますが、原則的には支払呈示期間内に小切手を金融機関に持ち込むように心がけましょう。
 また、小切手の持ち込みは自社の口座のある銀行の本支店ならどこでもいいので、とりあえず入金だけは近くの銀行で済ませてしまうといいでしょう。


     


◆事故防止に◆

★受け取った小切手にはすぐに線引きをしましょう
 小切手は、盗難や紛失の場合でもそれを拾った人などが銀行に持ち込めばすぐに現金にすることが出来ます。それを防ぐためにも線引きをされていない小切手を受け取った場合は、直ちに表面の右側に2本の平行線を引きましょう。こうすることによって小切手を一度金融機関に預けなければならなくなるので、盗難等による被害を未然に防ぐことが出来ます。

2013年10月9日星期三

損益計算書

簿記のもう1つの目的に、企業の経営成績を明らかにするということがありました。 

経営成績とは、どれくらい儲けたか、どのように儲けたのかといった事で、収益と費用で
表されます。収益から費用を差し引いたものが儲けになり次のような算式になります。

収益 - 費用 = 儲け

儲けのことを「当期純利益」 と言います。

企業の会計期間の経営成績を明らかにするための表を損益計算書 (そんえきけいさんしょ)といいます。
損益計算書は次のように表されます。

貸借対照表

貸借対照表は企業が事業活動を営むにあたりどれだけの資金を外部から調達し、そし
てその調達した資金をどのような事業活動に投資し運用しているのかという企業の財政
状態をあらわしている表のことです。

B/S(バランスシート) とも言われています。

貸借対照表は、次のように表されます。

貸借対照表と名前はついていますが、左右に分かれた1つの表に過ぎません。
左側に資産と書かれていますがこれは、資金の使い道を表し
借方(かりかた)と呼ばれ
ます。

右側は調達した資金で、貸方(かしかた)と呼ばれます。右上が負債(ふさい)、右下が
資本(しほん)となります。
貸方のうち、負債は将来返済の義務があるもの、資本(しほん)は返済義務がないもの
です。

例えば, あなたが会社を設立するために自己資金を1,000万円用意し、自分の事務所と
なる建物を立てたとします。

この時用意した1,000万円が100%自分のお金であれば、それは負債(借金)ではなくて
資本になります。

貸借対照表に当てはめると建物が資産で、1,000万円が会社で言えば資本金、個人で
言えば元入金になります。

一方、用意した1,000万円の内、700万円を金融機関から借り入れて残り300万円を自
分で用意したとすると、資産は1,000万円ですが実際は、借金を700万円しているという
ことになります。

貸借対照表に当てはめると建物が資産で、借り入れた700万円が負債、自分で用意し
た300万円が資本となります。

負債と資本の合計額は、必ず資産額に一致するようになっています。
これを
貸借対照表等式といい次のように表します。

資 産 
= 負 債 + 資 本

複 式 簿 記

複式簿記は企業の家計簿と言われ、1度に2つの情報を記録します。
つまり月末の現金残高という結果だけでなく、どのような取引によって現金が増減した
のか、という原因にも着目して帳簿に記録していく方法です。
当サイトでは、この複式簿記を勉強していくことになります。 

先ほどの家計簿を
原因結果で表すと、

11/3  参考書を現金2,500円で購入
  <原因> 2,500円で参考書(商品)を購入した。
  <結果> 現金が2,500円減った。
10  通信費を現金1,500円で支払う
  <原因> 1,500円で通信費を支払った。
  <結果> 現金が1,500円減った。
16  参考書を現金8,700円で購入
  <原因> 8,700円で参考書(商品)を購入した。
  <結果> 現金が8,700円減った。
25  商品を現金220,000円で売り上げた
  <原因> 220,000円で商品を売った。
  <結果> 現金が220,000円増えた。
26  家賃を現金30,000円で支払う
  <原因> 30,000円で家賃を支払った。
  <結果> 現金が30,000円減った。
になります。

複式簿記では、取引が発生すると借方かりかた
貸方かしかたという科目に分けて記帳します。
原因と結果に分けた取引を借方、貸方に分けて表してみます。

日付 借方 貸方
11/3  商   品    2,500  現   金     2,500
10  通 信 費     1,500  現   金     1,500
16  商    品    8,700  現   金     8,700
25  現   金  220,000  売   上   220,000
26  支払家賃   30,000  現   金   30,000

借方を「自分」、貸方を「他人」と覚えると理解しやすいですよ。
例えば、11/3は自分に2,500円の価値がある商品が手に入り、他人に現金2,500円を
渡したといった感じです。

この様に、
取引を借方、貸方に分ける処理を仕訳(しわけ)といいます。 複式簿記では、取引が発生するたびに、仕訳を行います。